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覚醒
 それは、冒険の途中で野宿をしていたときのことだった。
 「姫……、姫……」
 「なに? Saburo? 寝てるんだから、静かにしてよ」
 「姫……、お目覚めを……」
 眠っていたSacraが目を開けると、そこは一面青の世界だった。その世界の真ん中にSacraだけが宙に浮いている。身につけているのは、ひらひらのたくさんついた白い衣だけだ。
 これは……夢?
 さっきの声が、遥か上の方から聞こえてくる。明らかにSaburoの声ではない。心なしか、声に荘厳な響きを感じる。
 「おお、姫、お目覚めになりましたか」
 「あなたは、誰?」
 「わたしは現在この世界に存在しない者」
 「存在しない……」
 「いつか姫が我々の世界にお越しになった時、お目にかかることもあるでしょう」
 我々の世界……この世界以外に世界があるって言うの?
 「ちょっと待って、そもそもあたしは姫じゃないわ!」
 「いいえ、姫は古代魔法王国の正統な王位継承者です」
 「古代魔法王国?」
 「左様。現在、遺跡と呼ばれている魔法装置は、すべて我らの祖先が作り給いしもの」
 えっ? そういえば、確かにこれまで探検していた地下迷宮も、魔法装置も、全部古代の魔法文明の遺産だとは聞いていたけど……古代魔法王国なんてものがあったなんて。
 「でも、あたしには故郷の村にお父さんとお兄ちゃんが」
 「亡くなられたあなたの母上が古代魔法王国の末裔だったのです」
 「じゃあ、お兄ちゃんは王子様?」
 「残念ながら、あの方はあなたと血がつながっておりません」
 えええっ! 優しいお兄ちゃんなのに……ぐすん。
 「姫、どうやら2人の騎士とは合流できたようですな」
 「2人の騎士……って、まさかSaburoとImalaのこと!?」
 「いかにも。彼女達は代々姫をお守りしてきた家系の末裔なのです」
 本当かな〜? Saburoはすぐ逃げるし、Imalaは目茶苦茶弱いし。
 「全然騎士に見えないんだけど」
 「それは、彼女達がまだ完全に覚醒していないからです。あなた様から事情をご説明くだされば、きっと本来の記憶を取り戻すことでしょう」
 「Saburoの忠誠心が低いのはそれが原因なのね」
 あろうことか、最近のSaburoはあたしのことを、自分で自分を姫だと思い込んでいる、かわいそうな病気の少女だと思っている節があるのだ。最初に姫だと言い出したのはそっちだろ〜
 「ついでだから、あなたからも2人に説明してよ」
 「姫の仰せながら、それはできないご相談です。わたくしが思念を届けることが出来るのは、姫お一人だけなのです」
 「ふ〜ん、面倒なのね」
 「姫が立派に成長され、我々の世界に戻られる日を心待ちにしております」
 「それで、その世界ってどこにあるの?」
 「そちらの世界では『裏世界』と呼ばれております」
 そこで、ぷつんとなにかが弾ける音がした。
 「ひめ、ひ〜め〜、起きてくださいよ〜」
 今度こそSaburoの声だ。再び目を覚ますと、野宿をしていた草原に朝日が差し込んでいる。
 さっきのはやっぱり夢?
| 冒険 | 15:49 | comments(0) | trackbacks(0) |
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